宇治にある辻利兵衛本店茶寮（和カフェ）の抹茶ゼリーは濃厚な抹茶の味わいを楽しむことができる贅沢な一品

JR宇治駅から徒歩約10分、閑静な住宅街の中にある『辻利兵衛本店宇治本店茶寮』に足を運びました。辻利兵衛本店（つじりへいほんてん）は創業萬延元年（1860年）の宇治茶の老舗です。その辻利兵衛本店が茶工場の一部を改装して2015年8月にオープンさせたのが宇治本店茶寮で、お茶や抹茶スイーツの数々を提供しています。屋号である『やまり』が記された暖簾のかかる門からは老舗の風格が漂います。

暖簾をくぐるとそこには広い庭があります。すだれの掛かった趣のある家屋も印象的・・・。この庭の奥にお店の入口があります。お店に入る前から美しく手入れされた庭を楽しめるのも辻利兵衛本店宇治茶寮の魅力と言えるでしょう。周辺は閑静な住宅街のため、庭もとても静かです。

お店に入ってすぐ右手には庭の見える客席があります。店内奥にも客席はありますが、せっかくなので綺麗な庭が見える客席に案内していただきました。客席の照明は抑えられ、大きなガラス張りの窓からは自然光がやさしくたっぷりと差し込んできます。

メニューは抹茶スイーツの他、宇治茶の老舗らしくお茶やドリンク類もあります。今回は濃厚な抹茶の味わいを楽しめる、『やまりゼリー』という抹茶ゼリーを注文することに。抹茶ゼリーは抹茶の色そのものの深い緑色で、寒天を使用しているため程よい弾力とかすかにシャリっとした食感、みずみずしさもあります。

ゼリーだけでも抹茶の味わいが楽しめますが、別添えの濃茶のソースをかけるとさらに濃厚な味わいに！濃茶のソースの量で好みの味、濃さに調整できます。今回は全量をかけて濃厚な抹茶の風味を楽しみました。

抹茶ゼリーを楽しんでいる時に、お店の方が試食として抹茶の生チョコレートを持ってきて下さいました。京都の酒どころ伏見の清酒を使用しているそうで、お酒の香りが鼻に抜け、口溶けも良く抹茶のほろ苦さも楽しめました。

食後のドリンクとして、ほうじ茶ラテも注文しました。こちらのほうじ茶ラテにも別添えでほうじ茶のソースが付いていて、ソースの量でほうじ茶の風味の調整ができます。ソースを入れなくても十分にほうじ茶の香りや味わいが楽しめますが、こちらもソースを全量入れて味わいました。ハート型のラテアートも可愛らしい！

ほうじ茶ラテを楽しんだ後は店内のスイーツ販売コーナーを見て周りました。お店の2階にはこの春、挽き茶体験ができるコーナーがオープンするとのことで、そちらも楽しみです。お店を出た後は宇治川の東岸を川沿いに歩き、世界遺産である宇治上神社へと向かうことにしました。宇治川では護岸改修工事が行われていましたが、川の流れを眺めながらの散策は最高です。対岸には同じく世界遺産の平等院があります。

宇治上神社は朝日山の山裾にひっそりと佇むようにあります。起源ははっきりと解明されていませんが、平等院の鎮守社としての位置付けがあったようです。応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子（うじのわきいらつこ）を御祭神とし、学業成就や良縁などにご利益があるとされています。

境内に入るとすぐ目の前に拝殿があります。拝殿は鎌倉時代のもので国宝に指定されています。神社にありながら、主に貴族や武士の住居に用いられた建築様式である寝殿造となっていて、その珍しさから注目されています。拝殿前には神が降りて来る時の依り代になるとされる円錐形に盛られた清めの砂もあります。

拝殿の裏側にまわると、日本に現存する最古の神社建築である本殿があります。平安時代に建てられたものとされ、外側の覆屋（おおいや）の中には3つの社があります。覆屋の中には入れませんが、外から社の中を見ることができます。こちらの本殿も国宝指定となっています。

境内には宇治七名水のひとつ、桐原水（きりはらすい）があります。宇治七名水の中で唯一、現在でも水が湧き出ているのがこの桐原水です。飲むことはできませんが、こんこんと湧き出る水からはどこか神聖な雰囲気を感じます。

境内には推定樹齢300年、しめ縄のされた大きなケヤキの木があります。この大きなケヤキからは強くたくましい生命力が伝わってきます。宇治上神社は小さいながらも自然のパワーがあふれる場所のように思います。

宇治にある茶寮、甘味処（和カフェ）は宇治茶の老舗が展開するお店が多く、そのため抹茶を使用したスイーツはどこもハイレベル、ハイクオリティです！お茶の本場でしか味わえない最高の京都スイーツと出会ってください。

【辻利兵衛本店】
住所：宇治市宇治若森41
電話：0774-23-1111
時間：10:00～17:00
休み：火曜日
交通：JR奈良線宇治駅徒歩10分