伏見区深草にある老舗和菓子店の伊藤軒が手掛けるあんこロールは和と洋が絶妙に融合した人気スイーツ

伏見区藤森にある伊藤軒は創業元治元年（1864年）、150年以上の歴史を持つ老舗和菓子店です。その伊藤軒が2015年6月にショップとカフェを併設したお店『菓寮伊藤軒』をオープン、大変人気のお店となっています。お店は車通りの多い道に面していて、駐車場も完備しています。建物は大きく、すっきりとモダンな印象の店構えです。

木製の大きな扉を開け中に入ると、そこはまるでお菓子の百貨店！おかき類や飴玉、どら焼きなどの和菓子類の他ケーキなどの洋菓子類もあり、多種多様のお菓子が並んでいます。これほどの品揃えのある和菓子店は珍しいことでしょう。お菓子好きには夢のような空間です。陳列の仕方も工夫され、通路も広いため商品を見て周りやすいレイアウトとなっています。

桃の節句、ひな祭りが近いということで、ひなあられなどひな祭りにちなんだお菓子もたくさん並んでいました。彩り豊かなお菓子は見ているだけでも春を感じさせてくれます。お雛様、お内裏様もディスプレイされていました！

ショップで販売されているお菓子類はどれでも店内奥にあるカフェスペースでイートインすることができます。（カフェメニュー以外のものは別途ドリンクの注文が必要）今回はショップで伊藤軒の人気商品『あんこロール』を選び、カフェでイートインすることにしました。ショップとカフェの間は吹き抜けで開放感いっぱい！また店内は全面バリアフリーの配慮がなされています。

カフェスペースは広く、スペース中央付近にはオープンキッチンもあります。モダンでスタイリッシュながらも木のテーブルや椅子を取り入れることでゆったりくつろげるような雰囲気となっています。カフェではランチタイムに野菜ソムリエの提案する野菜ランチなどの提供もあります。また、ベビーチェアの貸し出しやお子様ランチのメニューもあり、子供連れでも安心のカフェとなっています。

カフェのスタッフの方が窓際の席を案内してくださいました。窓の外には枯山水を連想させるすっきりとしたお庭が・・・。和菓子店ならではの、和のセンスが光ります。緑の庭のあるカフェは多くありますが、枯山水風の庭はかえって斬新に感じます。

先ずは、人気のヘルシーなランチ『10種野菜の彩り雑炊』を注文しました。雑炊の中にはトマトやブロッコリー、カリフラワーなどの野菜がたっぷり！体に染み渡るようなやさしい味付けです。カフェではランチタイム以外でも軽食メニューが用意されていますので、遅めの昼食にも利用できそうです。

10種野菜の彩り雑炊を食べ終えると、絶妙なタイミングで先ほどショップで選んだあんこロールが運ばれてきました。クリームは白い生クリームと、自家製の餡子の入ったクリームが層のようになっています。スポンジ生地はしっとりとしていて、なめらかなクリームとよく合います。和菓子店の手がけるロールケーキとあって、餡子の入ったクリームは小豆の風味がしっかりと出ています。和と洋が絶妙に融合したあんこロールはお茶にもコーヒにも合いそうです。今回は1カットの注文でしたが、ショップでは1本まるごとでの販売もあります。

伊藤軒を出た後は、お店から車で10分ほどのところにある城南宮に立ち寄ることにしました。城南宮は方除けの大社として全国から篤い信仰を集めています。その城南宮は梅の名所としても知られ、ちょうど今の時期が梅の開花時期にあたっているため楽しみに境内へ・・・。

城南宮の神苑（楽水苑）は5つの庭から構成されていますが、その中の『春の山』という庭に梅がたくさん植えられています。神苑入口にある看板には枝垂れ梅は見頃とあったので、期待感いっぱいで神苑に入りました。

入ってすぐのところに春の山はあります。足を踏み入れた途端、感動のあまり思わず息を呑みました！約150本の枝垂れ梅は見事に咲きほこり、豪華絢爛の景色が広がっていました。梅の名所と謳われるだけあります。しばらく立ち止まってこの美しさを目に焼き付けて帰りました。

伊藤軒のように老舗の和菓子店であっても伝統を守りつつ店舗や商品を現代的で斬新なものにしていくお店が増えてきているように思います。現代人のセンスや嗜好をうまくキャッチした京都スイーツは今後もますます増えていくことでしょう。また、京都は四季を通じで自然の美しさに触れられる土地です。おいしいスイーツと共にぜひ散策をしてみてください！

【菓寮伊藤軒】
住所：京都市伏見区深草谷口町28-1
電話：0120-929-110
時間：10:00～18:00
休み：水曜日（祝日の場合は営業）
交通：京阪藤森駅徒歩15分、JR藤森駅徒歩15分