六角堂近くにある大極殿本舗併設のカフェ（栖園）のぜんざいは大粒丹波大納言小豆がたっぷり

時折小雪が舞い、日中でも震えるような寒さに見舞われた京都。こんな寒い日には温かいぜんざいが最高においしいはず。そんなわけで今回は温かいぜんざいを求めて六角通り沿いにある和菓子店『大極殿本舗六角店』併設の甘味処（カフェ）『栖園』（せいえん）へ向かいました。お店は築140年の町家を改装したもので、なんとも趣のある店構えです。

大極殿本舗の創業は明治18年（1885年）。店内にはたくさんの商品が並んでいます。特に有名なのはお店の二代目が始めた『春庭良』（カステラ、かすていら）で、しっとりとした食感のカステラは京都土産としても人気があります。

併設の甘味処の栖園は商品コーナーのすぐ横にあります。町家を改装しただけあり、とても落ち着いた雰囲気です。人気店のため普段は待ち時間が出ることも多い栖園ですが、平日のお昼時だったためか、待ち時間なしで入れることに。

客席からは町家特有の坪庭も見えます。せっかくなので坪庭の見える窓際の席に案内していただきました。お店は都会のど真ん中にあるにもかかわらず、静かに坪庭を見ながら過ごせるのも人気の理由の一つかもしれません。ぜんざいを注文し、坪庭を眺めながら楽しみに待つことにしました。

ぜんざいが運ばれてきて、蓋をあけてびっくり！澄んだ汁の下には大粒の丹波大納言がゴロゴロとたっぷり入っています！大納言はふっくらとしてほとんど崩れていません。こんがりと焼けた丸いお餅も二つ入っていました。

ぜんざいは甘過ぎないのでたっぷりとした量にもかかわらず重たくなく後味すっきり。坪庭を眺めながら温かいぜんざいをいただき、とても贅沢な気分を味わえました。栖園のメニューでは他には『琥珀流し』（こはくながし）という4月～12月まで月ごとに蜜（シロップ）が変わる寒天が有名です。

お店を出た後は、同じ六角通り沿いにある六角堂を散策することに。六角堂は正式には紫雲山頂法寺といい、聖徳太子による創建とされています。都会の中にあるということもありさほど大きくはない六角堂ですが、見どころがいくつもあります！

まずは境内に入ってすぐ、お堂の前にある『縁結びの柳』です。おみくじでこの縁結びの柳の2本の枝をひとつにして結ぶと良縁に恵まれるとされています。平安時代、嵯峨天皇がこの柳の下で絶世の美女と出会い、のちにその女性を后（きさき）に迎えたという話が由来となっています。

縁結びの柳のすぐ横には『へそ石』（本堂古跡の石、要石）があります。かつてここが京都の中心だったことを示す石で、京都の中心ということからへそ石と呼ばれるようになったそうです。

縁結びの柳やへそ石のあるところから右手に向かっていくと、『一言願い地蔵』という可愛らしいお地蔵さんの姿が・・・。このお地蔵さんに欲張らず一つだけお願い事を伝えることで願いが叶うとされています。ありがたいお地蔵さんですね。

一言願い地蔵のすぐ近く、本堂脇の大きな御幸桜のもとには『十六羅漢』が。羅漢とは仏の教えを守り伝えることのできるお坊さんに与えられる名前で、こちらの羅漢様はニコニコと笑顔です。いつも優しく笑顔を心がけていれば良い報いがあると説かれています。また、この御幸桜は満開になると大きな傘が開いたようになり見応えたっぷりです！

その他、聖徳太子自作の像が祀られている太子堂や聖徳太子が沐浴をしたという池、わらべ地蔵などの見どころがあります。六角堂は上から見るとお堂の形が六角形になっていますよ！

栖園のように店内から京町家特有の坪庭が見える甘味処（カフェ）は京都にはたくさんあります。坪庭を眺めながらスイーツを頂くのは何とも贅沢な気分を味わえることでしょう。ぜひ京都らしい空間でおいしいスイーツを楽しんでみてください。また、京都はビルやマンションの建ち並ぶ市街地の中にも寺社仏閣がたくさんありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

【大極殿本舗六角店　栖園】
住所：京都市中京区六角通高倉東入南側堀之上町120
電話：075-221-3311
時間：10:00～17:00
休み：水曜日
交通：京都市営地下鉄烏丸御池駅徒歩8分